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  • 執筆者の写真Kenichi Mukai

花の違いもわかる猫/河久保子朗ほか戦前フィギアスケート書籍


今週は日本近代スケートのパイオニアと呼ばれております河久保子朗さんを中心にした、フィギアスケート書籍を3点紹介です。


まずは昭和9年2月1日に芝浦スケートリンクにて創立された、暁スケート倶楽部の機関誌『暁』です。クラブ会員には河久保子朗さんをはじめ、日本最初のフィギュア・スケーターと呼ばれている田代三郎さんと佐藤幸三さんのお二人など、作家の子母澤寛先生も評議員として参加しております。内容は技術指南やスケート界の展望、当時の選手が使用した「フリー音楽記録集」や大会結果、氷上剣道とかなりインディーズな競技の記事もございます。巻頭には写真グラビアも多く、読むだけでなく目でも楽しめる内容です。第5号の第4回冬期オリンピック記念号は日本代表選手へのインタビューや、採点表も綴込んであります。調査したところ国立国会図書館や全国の図書館にも所蔵がなく、暁スケート倶楽部の存在も見当たりませんでした。戦前のフィギアスケートを知るうえで、大変貴重な書籍かと思います。

次は江守栄作さんと河久保子朗さんの共著『パニンのスケート』です。江守栄作さんは札幌出身のスケート選手です。大正時代にロシアで開催されたフィギュアスケート極東大会で優勝し、その後はアイスホッケーに転向し活躍なされました。実業家としても成功し、札幌市に「江守記念星置スケート場」というスケートリンクをまるごと寄贈しております。内容はロシアのフィギアスケート選手ニコライ・パニンさんが執筆した技術書の翻訳書で、写真図版や挿画などを多用し、表紙には羽生結弦選手好みなクマのイラスト入りです。扉ページには河久保さんのペン署名も入っております。

最後は河久保子朗さんの著作『スケーティング フィギュアー・スピード・アイスホッケー氷上廿五年史』です。こちらは「日本の古本屋」サイトでも複数販売されておりますが、当店の入荷書籍には河久保子朗さんの献呈署名が入っております。おそらく機関誌『暁』に執筆されている、植木辰夫さんという方への献呈本かと思います。この署名入りの2冊は書籍本体を包装紙で大切に包んでありましたので、状態も比較的良好です。


最後にお知らせですが、12月3日(月)は買取り出張のため、お休みをいただきます。ご注文や問い合わせなどは、翌日の対応になりますのでご容赦ください。

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