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  • 執筆者の写真Kenichi Mukai

勘違いは目に入れても痛くないのよ/西條八十、北杜夫、野口久光ほか自筆草稿



今週も中央市会大市での戦利品と、いつ仕入れをしたのかも分からなくなってしまった放置されっぱなしの在庫の山の中から自筆草稿を10点ご紹介です。


最初は西條八十先生の草稿『上野をめぐる想ひ出』です。島崎藤村先生の五十歳を祝う会を催した上野精養軒や、童謡「かなりや」を創作した不忍池畔のアパートなど、上野界隈の回想録です。西條先生の代表曲「かなりや」について記している草稿は貴重かと思います。その為か綺麗に製本し、大切に保存されております。

次は「あっ、こんな凄い良いのあるじゃん!」と、山積みになったままの草稿群から発掘した野口久光先生の草稿です。現在、横須賀美術館で「生誕110周年 野口久光 シネマ・グラフィックス」展が開催中なのは、虫の知らせか、日頃の怠惰のおかげか分かりませんがタイムリーな1点です。内容はコマ劇場での江利チエミさんの座長公演「じゃがたらお春」の、おそらくパンフレット用の草稿です。野口先生の自筆物も見た事はありませんので、こちらも貴重な作品かとお思います。もし原画が市場に出たら、どれくらいのビックリ値段になるのでしょうかね。


その他は北杜夫先生の長寿エッセイ『マンボウ酔族館』、正木不如丘先生の遺稿、吉植庄亮先生の歌稿、早稲田大学に建築科を創設した佐藤功一先生の古九谷論、戦前の棋士・大崎熊雄九段の棋譜解説などなど、当店ならではの、バラエティに富んだと言えば聞こえのいい、とっちらかった品揃えですが、よろしくお願い申し上げます!

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